『革新の10年、さらなる充実へ』
(公財)全国高等学校体育連盟弓道専門部は、関係団体に支えられ創立60周年を迎えることができました。高校弓道を推進する競技団体として、今日まで発展することができましたのも(公財)全日本弓道連盟の皆様をはじめ関係各位の多大なるご支援・ご協力の賜物と心から感謝し御礼を申し上げます。 2005年50周年からの10年間を振り返りますと第50回大会までの全国大会は各地の弓道場や高等学校の施設をお借りしての開催が主でした。しかし、年々、観客数が増加することに伴う対応に追われるようになりました。開催地専門部では特設スタンド設置や入れ替え応援席など様々な工夫をしながらの運営で、大変なご苦労をされたことと思います。本当に有難うございました。 弓執る高校生とその応援者のために、観客収容問題の解決と高校弓道日本一を決定する会場は他競技の会場に遜色ない会場で開催してあげたいという思いから検討が始まりました。アリーナ開催には仮設安土の素材問題・設置方法やや矢止めなどの安全対策、施設ごとに形状の違う照明の照度問題、施設利用費や空調費の都市別料金格差などの問題が山積していました。 2003年頃からアリーナ開催の必要性について開催地実行委員会と粘り強く打ち合わせを重ね2006年第51回大会(なみはやドーム全館使用)以降の大会では、インターハイは9会場、全国選抜大会では8会場が大規模施設での開催となり、アリーナ開催が順調に定着しつつある10年であったといえます。問題解決に向けた開催地専門部と関係企業のご努力は地元の大応援団を包み込み、遠方からの応援や高齢のご家族がゆっくり座って観戦できることとなり、参加選手達が全国大会出場の栄誉を強く感じることに繋がったといえます。 他の取組みとして、2007年の公式ホームページの大幅なリニューアル。メール配信により全国専門委員長への調査・報告など全国大会運営や諸事業展開において周知徹底することができました。2009年からは加盟校顧問の献身的な取組みにより念願の公式練習ネット予約システムが完成しました。システム運用開始で引率監督の会場における練習予約の手間が省けることとなりました。システム運用以前に、早朝からの練習予約の行列を経験した監督から賞賛の声が数多く届きました。また、全国加盟校2100校67000人が共有できるものを創ろうと検討し、2010年に「高校弓道マガジン」を創刊、2011年全国大会の「大会の動画配信」、2012年ハンドブックサイズの競技規則集である「必携2012」発刊と新事業を展開して参りました。開催地まで応援に行けない部員が動画配信で声援していますというお便りが届きました。全ては全国常任委員会・専門委員長の皆様の弓道部員を思う温かい心とご理解、ご協力のお陰と感謝いたします。 高校弓道マガジンでは創刊企画のひとつとして、全弓連範士の先生への高校生によるインタビュー記事を掲載しました。その企画は現在も継続し、毎年、範士の皆様から全国の高校生へ貴重なメッセージを頂くこととなりました。企画当初は大変失礼なことではないかと悩むこともありました。しかし、先生方は、ご多忙の中、高校生のために気持ちよくご協力賜りましたこと、この場をお借りして心より御礼申し上げます。 2015年奈良県吉野町の多大なるご支援のもと第60回記念大会を無事終えた今、次の10年を見据えた全国高体連弓道専門部の事業推進が、高校弓道を大切に思う全国の皆さんと共に始まることを期待しご挨拶といたします。 公益財団法人 全国高等学校体育連盟弓道専門部
部 長 佐 藤 建 治 |